2020.05.22 前田エマさん なぜ人は「結婚」をするのか 後編 祝うことの意義

変化をもたらす節目をどう捉えるか 祝う「形」を考える 前田エマ

前田エマ

1992年、神奈川県出身。2015年春に東京造形大学を卒業。オーストリア ウィーン芸術アカデミーに留学経験を持ち、在学中から、モデル、エッセイ、写真、ペインティング、朗読、ナレーションなど、分野にとらわれない活動が注目を集める。芸術祭やファッションショーなどにモデルや朗読者として参加、また自身の個展を開くなど幅広く活動している。

 

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<自分の在り方>
結婚は人生の一部だが、時には結婚が人生をまるっきり変えてしまうことだってある。

「仲がいい友達グループがあるのですが、私以外全員結婚していて、集まっても家族のクレジットカードの話なんてしています。つまんないったらありゃしない(笑)。前まではもっと夢の話とか、こういう仕事したいよねって話していたのに、急にクレジットカードの話になって…私は蚊帳の外(笑)」。

27歳。仕事がどんどん楽しくなってきた前田エマに対して、家庭を持った友人たちの変化は距離を感じるものだった。変わったのは友人たちだけではない。「私はずっと飲食店でアルバイトをしていたのですが、これまでは小さな子どもが走りまわるだけでも、すっごく嫌な顔をしていたお客さんが、自分に子どもができて急に態度が変わったり。一方で、優しかったお客さんに子どもができてすごく厳しい態度に変わったり。人間って一緒にいる人や環境の変化で変わるものなんだなって、ゾクゾクしました」。

とはいえ、変化が悪いこととも限らない。彼女も幼い頃から、母親になるという夢を抱いているという。

「子どもができたら、今まで見ていた世界がガラっと変わるんじゃないかなって思うんです。それは私の父が、『あんたが生まれたから、あんたが生きやすい世界にしなきゃいけないと思って仕事のやり方も変わったよ』って言っていたから。私も親になったら変わっていくんだろうな、そういう世界を見てみたいなって」。

出産や子育てだけでなく、結婚も自分自身の在り方に変化をもたらすものだ。「私は文章を書く仕事をしていますが、文章って世の中に対する疑問とか怒りとか、やりきれない自分の気持ちを否定しないことだと思っていて、幸せだなあって思っています。書いていく毎に、書きたいことが増える毎に、すごく嬉しくなっていく。その分生きづらさも浮き彫りになっていくんですよ」。心に芽生える違和感を表現する彼女だからこそ、今は結婚の形に疑問を抱くが、いつかはそれが違う形に変化するかもしれない。

「私もいつ“家族クレジットカード側”に立つか、わからないじゃないですか。私はどうなっていくのやら…って思いながら、クレジットカードの話はほぼ聞いてなかったですね(笑)」。

<祝いという形>
こんな風にこれまでの結婚観に疑問を抱く彼女は、結婚式などの祝いの場について、どのように考えているのだろうか?「この間、大親友の結婚式でスピーチをしたんですけれど『こんなに素敵な友達が新婦にはいますけど?』って新郎の友達や家族に自慢する役割だなって思ったんですよ」。これまで友人と分かち合った大切な思い出を披露し、どれだけ友人を大切に想う人がいるのかを伝える。それは、「だから、あなたたちも大事にしなさいよ」という“宣戦布告”なのだそうだ。

そんな彼女はもちろん従来型の式に憧れはない。けれど“祝う”ことには意味を感じるのだという。「先日、弟といとこが成人を迎えて、家族全員で集まる機会があり、その時にふと、“今一緒に居られること”を祝うのはいいなって。一緒にいる時間をお互いにプレゼントし合うという意味で、節目に形式立ったことをするのかなと思ったんです」。

「iwaigami」は誰かのために行うものではなく、2人が2人のために挙げる結婚式の形だ。2人だけでも誓いが立てられ、好きな場所で好きな時間に挙げられる。指輪と共に届けられる冊子には、結婚する時だけでなく、その1年後にもう一度開いて“節目”を祝うページもある。

「(絵本作家の)いわさきちひろさんが結婚した時に、旦那さんと2人きりで、小さい部屋中に花をたくさん飾って誓い合ったというエピソードがあって。ちひろさんの旦那さんって活動家の方で、その方を支えるためにちひろさんは大変なご苦労をされていたそうなんですけれど、2人が今ここにいて、2人で未来が見られる嬉しさを共有し合っている風景がとっても素敵だなと思って。そういうことができるのはいいなと『iwaigami』を見て思いました。そういうキラッとしたトキメキがあるなと」。

何事にも形式がある現代に、自分たちが本当に自分たちらしくあるためには、本当に大事なものを見極めることが重要だ。制度としての結婚が必要な人もいれば、そうでない人だっている。結婚式も、従来の形ではないものが必要な人だっている。

彼女は今、結婚や結婚式への願望はない。とはいえ、その可能性は否定しない。それでは、いつか迎えるかもしれない“人生の折り目”をどう祝うのかと聞くと、「私は節目に手紙を書いたりするのが好きなので、そういうことをしたい」と、また新たな提案をしてきた。

「手紙を書くって相手のためじゃないと思っていて。その時の自分の気持ちを整理したり、相手といる時間を愛しんだりすることが手紙を書くということだと思っていて。自分のために手紙を書いて、相手に贈りたいなって」文字を通じて相手を愛しく思う自分に出会い、相手にその気持ちを贈るというのは物書きの彼女らしい形だ。

2人が今一緒にいることを祝い、2人の未来を喜ぶ時、「iwaigami」のように寄り添うプロダクトは本当に2人らしい「形」を見つける手掛かりになるかもしれない。

 

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